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季節、君への想い



季節は巡る。
春から夏に、夏から秋に、そして冬に。

季節は変わる。
人の気持ちが変わるように、季節も変わる。

君が笑わなくなったのは、いつ頃だっただろう。
君のウソの笑顔に私が気付いたのは、いつ頃だっただろう。

君の笑顔に、私は今まで支えられてきた。
君がいつでも隣にいたから、どんなに嫌なことでも我慢出来た。
頑張ってこれた。

でも、その笑顔も消えてしまった。
私の支えは、消えてしまった。

さようなら。
その言葉を、君にだけは言いたくなかった。
でも、言わなければならない。
君の口から、別れの言葉を聞くのは辛すぎるから。

私が別れの言葉を告げると、君は一瞬悲しげな表情を浮かべた。
どうして?ねぇ、どうして?
君は、私のことが嫌いになったんでしょ?
だから、笑わなくなったんでしょ?
どうして?どうして、泣きそうな顔をするの?
泣きたいのは、こっちなのに‥‥。

数日後、君はこの町から居なくなった。

きっと新しい女の所にでも行ったんだ。
あの時見せた、悲しげな表情は きっと私の見間違えだ。
そうに違いない。
だって、君は私と別れたかったはずなんだ。
悲しむわけがない。むしろ、喜んでいたはずなんだ。

君に別れを告げてから、一ヶ月が経った。

君は今、どうしてるんだろう?
君は今、どこにいるんだろう?
新しい彼女と仲良くやってる?
私は、一ヶ月経った今も‥‥君のことを忘れることが出来ずにいる。

ある夏の日、君から手紙が届いた。

部屋に持ち帰り、緊張に震える手で封を切った。
カサカサと 紙の擦れる音だけがしていた。

「‥‥‥え‥‥?」

『俺、今 入院してるんだ。
 ずっとお前に言えずにいたけど、永くないって言われてたんだ。
 悩んで悩んで、別れようって決心がついた時‥‥お前が別れを切り出した。
 ごめんな?辛い思い、沢山させたよな?
 あと、こんな手紙 書いてごめん。
 もう、お前の隣には 俺じゃない誰かが居るのかもしれない。
 でも どうしても伝えたいことがあったんだ。
 好きだよ。別れる前も、別れた後も。きっと これからもずっと。死ぬまでずっと。
 今更 迷惑かもしれない。だけど、これだけは‥‥どうしても伝えたかった。
 お前の重荷にはなりたくないから、この手紙は 読み終わった後捨ててくれてもかまわない。
 じゃあ、元気でな。今まで、ありがとう。』

ウソだ、ウソだ。こんなのウソだ。
永くない?誰が?‥‥君‥が‥?
いつ?いつから?
君が、‥‥笑わなくなったとき?

ごめん。私の方こそゴメン。
君が苦しんでいたのに、気付いてあげられなくてごめん。
私だって君が好きだよ。
別れる前も、別れた後も。これからもずっと。死ぬまでずっと。
重荷になんてなるわけない。
会いに行くから、今から行くから!!
だから、もう一度初めからやり直そう?
私の知らないところで、勝手に死ぬなんて許さない。
君の目に、最後まで映っていたいから。
限られた時間の中で、何が出来るか分からない。
それでも、今度は私が君の支えになるから。
沢山、君に話したいことがある。
ねぇ、限られた時間の中で これから何をしようか?

季節は巡る。
春から夏に、夏から秋に、そして冬に。
季節は変わる。
人の気持ちが変わるように、季節も変わる。
でも、変わらないものがここにある。
それは、私が君を想う気持ち。


fin


***あとがき***
この話は、NOVELANDで公開していたものです。
ずっとこっちに移してこようと思っていたんですけど、なんかずるずると先延ばしになっていてやっと今日 UPすることが出来ました(汗
お楽しみいただけたでしょうか?
最後に、読んで下さった方々ありがとうございました!!
2005.04.22 管理人:風花



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