モクジ

● 私が君に出来ること  ●

質問)あなたの大好きな人が明日死ぬとしたら、あなたはどうしますか?


もし、大好きな人が明日死んでしまうとしたら、私は君に何をしてあげられるのだろう?
何て言葉をかけてあげるのだろう?
きっと私は、何もしてあげられない。
残される私を気遣って、笑いながら話している君をただじっと、涙をこらえて見ていることしか出来ないだろう。
私は何も言葉を口にしない。
そんな私を見て、きっと君は困ったような顔をして、私の名前を呼ぶんだろう。
優しい優しい君の声で。

「春菜!!」
「えっ?」
「えっ?じゃないだろ?さっきからずっと呼んでるのに」
「えっと・・・ゴメンネ?」
「別にいいけどさ。で、何を真剣な顔して読んでたんだ?」
「え〜?たいしたもんじゃないよって、あっっ!!」
「なになに?・・・・・」
「悟?」
「お前さぁ、こんなの真剣に考えてたのか?」
「こんなのって何よ!?」
「いやいや、そんな怒んなって。たださ、お前バカだなぁと思って」
「バカって何よ!?」
「どうせお前のことだから、俺が明日死ぬとしても、自分は何もしてあげられない。何も言ってあげられない。とか考えてたんだろ?」
「!?」
「やっぱりな。本当にお前バカだろ?」
「そんなにバカバカ言わなくてもいいじゃない!!」
「ハァ。もし俺が明日死ぬとするだろ?そりゃもちろん死にたくはない。でも、死ぬという事実からは逃げられない」
「うん」
「なら俺は、最後の1日を楽しく過ごしたい。もちろんお前と。お前は何もしなくていい。ただ、そばにさえいてくれればいいんだ」
「いるだけでいいの?」
「ああ。欲を言うなら、笑っていてほしい。それで、俺の名前を聞き飽きるほど呼んでほしい」
「・・・・」
「でもまっ、俺はまだまだ死なないけどな」
「そうだね。まだまだ、これからだもんね」

君が明日いなくなる。そんなことは、考えたくない。
でももし、そんな日がおとずれたなら私は、涙を忘れて笑ってあげる。
何度も君の名前を呼んであげる。
それが、私に出来るたった一つのことだから。
モクジ
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