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● 運命という輪の中で --- 第三章「夏休み」(1) ●

人は一人じゃ生きていけない。
一人で生きることが出来ない、そんな弱い自分が嫌い。

**********

サマーフェスティバルも無事に終わり、私達学生は夏休みに入った。

♪♪〜♪♪♪♪〜♪〜♪

遊びに行くこともあるが、学校がない分、友達と会える日はかなり減った。
おかげで、おもな連絡手段は、携帯でのメールのやりとりだけだった。電話するときもあるんだけどね。
さっき来たばかりのメールをさっそく読むことにする。あの着信音は、明日香のものだった。

 瀬戸 明日香
 200× / 7 / 28 11:28
 無題
―――――――――――――――――――――
 ヤッホー!!元気にしてる??
 私明日から北海道に旅行に行くんだけど、
 おみやげ何がいい?
 今日中に考えて、メールか電話してね♪
 あっ、あと美和にもちゃんと聞いといてよ
 ね♪


「明日香、北海道行くんだ‥‥‥‥」

メールを読み終えると、携帯を閉じてテレビをつけると、ソファの上に勢いよく座り込んだ。

「‥‥‥‥‥」

夏休みに入ってすることといえば、やたらと多い課題。ひたすら課題。毎日課題‥‥‥。

「しばらく遊べないのか‥‥明日香と‥‥‥」

カチャ

部屋のドアが開いて、そちらの方に顔を向けると、入り口には美和が立っていた。

「何か用?」
「今から買い物行くけど、何か食べたい物ある?」
「言ったらしてくれるの?」
「まだ分かんないけど、参考に聞いとく」
「‥‥‥じゃあ、ハンバーグ」
「ん。分かった、ハンバーグね。‥‥じゃあ、行ってくるわ」
「ハイハイ、行ってらっしゃい」

パタン

「‥‥‥‥‥」

美和の出て行ったドアをしばらくじっと見ていて、それから軽くため息をついた。

「‥‥‥早く夏休み終わらないかなぁ〜」

子供には、休みが好きな子と嫌いな子がいる。私は、休みが嫌いな子供だ。
たえられる長さはG.Wぐらいなもので、春休みも冬休みも嫌いだ。もちろん、一ヶ月以上ある夏休みも嫌いだ。嫌いどころか大嫌いだ。
一度だけ美和に聞かれたことがある。「何で休みが嫌いなの?」って。その時何て答えたかは覚えてないけど、きっと今の気持ちとあまり変わらないと思う。

「だってさぁ‥‥‥‥怖いんだもん‥‥‥」

休みがあけたら、みんな私のこと忘れてたらどうしよう。急に冷たい態度になったらどうしようって‥‥‥考えちゃうから。まぁ、さみしがり屋ってことなのかな‥‥‥?
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